半数近くの人がうつを身近に感じる

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読者が選ぶ転職したい会社(PANA=写真)

ちなみに転職したい会社ベスト10には、グーグル(1位)やアップル(3位)といった外資系が上位にランクイン。一方、ソニー(4位)やパナソニック(5位)など電機メーカーも健闘した(表)。ただ、城氏は「ソニーやパナソニックが上位なのは解せない」と手厳しい。

「電機メーカーに先はありません。なにしろつくったばかりの半導体工場を閉鎖しているくらいですからね。そもそもこれからはグローバル化によって、ものづくり分野の給与が低くなっていくことは避けられない。日本企業に転職するなら、メーカーより三菱商事(6位)ですね。商社は日本版投資銀行。知的集約産業は今後も成長が期待できます」

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図6 30~50代が“うつ”を身近に感じている

うつに関しては、もはや縁遠い病気ではなくなった。「うつになった人が周囲にいる」と答えた人は、40代で半数を超えた(図6)。40代でうつがもっとも身近になるのは中間管理職になって仕事に忙殺されるからだと推察されるが、城氏の意見は異なる。

「現場の声を聞いていると、忙しく働いている人より、35歳前後で燃え尽きてしまった人のほうがうつのリスクは高い気がしますね。ポストに余裕があった昔と違い、近年は30代後半で出世の白黒がつきます。競争に敗れた人は、会社で何の希望も見いだせないまま日々の業務をこなしていく。あるとき飼い殺しになっている自分に気づき、メンタルを病んでいくのです」

小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶
1957年生まれ。京都大学法学部卒業後、東京銀行(現東京三菱UFJ銀行)入行。86年、ダートマス大学エイモスタック経営大学院にてMBAを取得。96年、小宮コンサルタンツを設立。
 
Joe‘s Labo代表取締役 城 繁幸
1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年、同社を退社し、人事コンサルティング会社を設立。『若者はなぜ3年で会社を辞めるのか?』など働き方や人事制度に関する著書多数。
(石橋素幸、小倉和徳、若杉憲司、上飯坂 真=撮影 PANA=写真)
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