姉分の八千代が照葉にしたひどい仕打ち
宴会予約は引きも切らずやってきた。それを面白く思っていなかった姉さんの八千代は、デビュー1カ月半後の千代葉を呼び出して、旅館に連れて行った。待っていたのは八千代の舞妓時代の旦那。八千代は千代葉に囁いた。
「分かってるやろ……あんたもあれだけ見習いもしてきているのやさかい、舞妓に出たらどう、というぐらいの覚悟はしているやろ。姉ちゃんら、あんたの年より1年も前に、役目をしたんだっせ。またあんたに、こうして役目をさすのが、あての役目やさかいに、これだけは聞いてもらわんと、あての役目が済まんねん」(『黒髪懺悔 照葉手記』)。
こうして突然、千代葉はほとんど知らない男性相手に「役目」をさせられることとなった。まだ月経も見ない年齢だった。後に、八千代が加賀屋の義母も常どんも通さずに勝手に決めてしまったと知った。
そんなことがあってから、千代葉は警戒するようになった。幸い、人気があったので我儘も通すことができ、紳士的な旦那らとだけ接していたものの、先方が処女だと思いこんで優しく接していることを知ってつらかった。
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