個人的にぶっちぎりで一番キモい詩

「アステール」というのは古典ギリシア語で「星」という意味なのだが、同時にプラトンの想い人の少年の名前でもある。だから最初の「星」は掛詞(かけことば)になっている。問題は、そんなステキな技巧を凝らして詠んだ内容が心底しょうもないということである。

「お前は星々を見ているなあ。空になって見つめられたいし、私も星という空がもつたくさんの目でお前をジロジロ眺められるのに」ということである。この解説を書いているだけでちょっと鳥肌が立ちそうになったくらいキモい。

もうひとつ、古代ギリシアのしょうもない恋愛詩を紹介しよう。紀元前の古代ギリシアには、アナクレオンという詩人がいた。この人は有名人なので、アナクレオンの名を騙って同じような作風の詩を作る人が出てきた。さすがに後世の専門家の目は騙せず、なりすましがバレてしまっているのだが、そのような今となっては「よみ人知らず」の詩も『アナクレオンテア』という作品集としてちゃんと残っている。色々な詩があるのだが、その中でも個人的にぶっちぎりで一番キモいと感じるのがこの詩である。