鳥インフルエンザの季節がやってきた
高市早苗首相の新政権が本格始動した10月22日、今シーズン初の鳥インフルエンザの発生が確認され、政府は関係閣僚会議を開いて対応した。鳥インフルエンザが発生したのは、北海道白老町だった。
この日、北海道庁は白老町の養鶏場で死んだニワトリから毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表し、この養鶏場で飼育しているニワトリの殺処分を実施した。
毎年、秋から翌年の春にかけて全国各地で発生し、消毒用の白い石灰が一面にまかれた養鶏場で白い防護服とマスク、ゴーグルに身を包んだ自治体職員や自衛隊員が殺処分を行うあの光景は、すっかり冬の“風物詩”になっている。
だが、しかし、ニワトリとの濃厚接触で人が感染する問題や、鳥インフルエンザが人の新型インフルエンザに変異して多くの死者を出す事態がどこまで理解されているのだろうか。私たちは「鶏肉は食べない方がいいのか」「卵は大丈夫なのだろうか」と目先のことばかりに気を取られ、鳥インフルエンザを甘く見ていないか。
担当官庁の農林水産省も「感染したニワトリの肉や卵を食べて感染したケースはないから安心してほしい」とアピールするものの、肝心要の鳥インフルエンザの本質までは説明しようとはしない。国民の生命を守るべき厚生労働省の対応も心もとない。あの新型コロナの貴重な経験はどこに行ったのか。「喉もと過ぎれば熱さを忘れる」である。支持率の高い高市首相だからこそ、こうした問題点を的確に把握してほしい。
シベリアからウイルスを運ぶカモ
今シーズンは前述したように10月22日に北海道の中南部に位置する白老町で初の鳥インフルエンザが確認された。前日の21日に養鶏場で多数のニワトリが死んでいるのが見つかり、簡易検査を経て22日に遺伝子検査で陽性を確認した。
ウイルスのタイプは毒性の強いH5N1だった。この養鶏場では飼育中のニワトリ45万9000羽の殺処分を始めた。殺処分は理にかなっている。ニワトリの間で感染が広がると、近隣や地域の農場に飛び火するだけでなく、人の新型インフルエンザの発生につながるからである。白老町の後、新潟県内などでも確認されている。
「今シーズン」の意味だが、農林水産省によると、鳥インフルエンザの発生が確認された日から発生がなくなる日までがワンシーズンと考え、毎年シーズンごとにその期間は異なり、概ねその年の10月上旬から翌年の5月上旬となる。これから冬場にかけて鳥インフルエンザの発生が本格化する。

