子どもを「お勉強エリート」に育ててはいけない

これからの時代に子育てをする人にとっては「いかに日能研・SAPIX的な文化圏から距離を取るか」が重要になる。

私は子育て真っ只中の友人知人に対してはかなりシリアスなトーンで「自分の子どもを『お勉強エリート』に育てるような方向はやめておけ」とアドバイスしている。理由はここまで述べてきたとおりだ。いま幼い子どもたちが大人になるころには、お勉強エリートすなわち大卒者向けの「知的労働」に類する仕事の大部分はAIの飛躍的な進歩によって消え去っている可能性がきわめて高いからだ。

自分の子どもを「テストの得点能力」に最適化させている人は世の中に数多い。親心として善かれと思ってそうしているのはわかる。しかしかれらの子が大人になったときには社会情勢はますます「人間の知性の価値」が軽くなっていて、せっかく磨き上げてきたスキルは評価されず、梯子を外されてしまう可能性が高い。親も教師もただちに時代感覚のアップデートが必要で、「とりあえず大学に行かせるのが正義」という認識はいますぐ改め、子どもの体力や気力や協調性を育む方向にリソースを割くべきだ。