「巣鴨から出ない」から大手チェーンに負けない
人口減少、ネット通販の浸透、郊外型チェーン店の台頭によって全国各地の中心市街地がシャッター街へと姿を変える中、赤パンツに支えられたマルジは今日も「地域一番店」の座を守り、商店街を活気づけている。まさに「幸運を呼ぶ」赤パンツなのだ。
だが、この赤パンツの目立つ看板は、創業73年のマルジの特徴を表すほんの一面にすぎない。マルジの店はその隣と向かいに合計3店舗。S~5Lサイズのインナーに、身長別のパジャマ、春夏にも冬物を扱い、入院や介護に必要な品がワンストップでそろう。欲しい時に欲しいものが手に入る。多品種をそろえた赤パンツ同様、大手量販店には手の届かない「実用衣料」へのこだわりが幅広い客層を引き寄せ続けている。
経営するのは2代目社長・工藤敬司さん(75)と常務・工藤秀治さん(71)の兄弟。創業者の父・勇治さんに請われ、工藤社長が入社したのは31歳の時だった。それ以来、「小さな店が勝ち続けるための戦略」をあらゆる角度から徹底追求してきた。バブル期に過去最高だった坪当たり1000万円超の売上高は現在、3分の1の水準になったにもかかわらず、粗利益率では当時の1.5倍。巣鴨から絶対外には出ない、「多店舗化」「拡大路線」から一切距離を置く経営方針を貫きながら、デフレにもコロナ禍にもインフレにも飲み込まれない、独自の経営ノウハウを積み上げた。
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