さらに「提携ローン」の詳細も要注意。「月額○万円」と、大きな文字で書かれている“支払い例”は、当初設定された短期固定・最低利率での計算結果である場合が多く、その後の金利上昇リスクについては説明されていないのが一般的だ。小さな文字で「当初優遇コース」と記載されていても、極端に低いキャンペーン金利が適用されるのは最初の2~3年程度。優遇期間終了後は、金利・返済が倍以上に跳ね上がることもある。低金利というのは、逆に金利上昇リスクが大きいということを頭に入れておくべきである。

支払い例だけを見て飛びつき、後でしまったと気づいても、すでに手遅れ。そもそも「売ったら終わり」の販売サイドと、「買ってから始まる」買い主とでは、重要となるチェックポイントが根本的に異なることを肝に銘じておきたい。

また、「ご来場した方に商品券・クオカードプレゼント」「抽選で素敵な商品が当たる!」といった“エサ”につられないこと。タダほど高いものはないと言うとおり、モノをもらうと物件や適正価格を見極める目が甘くなりがち。何千万円もする買い物なのに、たった0.01%程度のエサで釣られないことが肝心だ。

物件の良し悪しは、人によっても好みが分かれるところであり、万人共通の選択基準は設けにくい。だが物件の売り主であるデベロッパーの評判や実績、倒産リスクについては厳密に検討してほしい。

購入後、保証やメンテナンスを請け負うのは売り主であり、一般的に売り主が倒産すると、当初約束されていた保証が受けられなくなる。事業主が大手でも、売り主が信頼できない会社では意味がない。やはり信頼・安全度という点では、新興・中小デベロッパーより、財閥・電鉄系など大手に分がある。財務状況だけでなく会社の体質によっても、問題発生時の対応が大きく異なるので注意したい。

なお不明な点があれば、担当営業マンにどんどん尋ねるべきだ。特に物件が抱えているデメリットについては、後々トラブルにならないよう、必ず問い質してほしい。自分で交渉するのは不安、ローンの組み方がよくわからないという人は、住宅コンサルタントやハウスエージェント、バイヤーズエージェントなど、利害関係のない第三者的な立場の専門家に代理交渉を依頼するのもいいだろう。

(構成=大沢玲子)