「変えないことで信頼を生む」ブランド戦略

今回のGR IVのヒットは、リコーが20年以上守り抜いてきた哲学の勝利である。それは、“変えないことで信頼を生む”という逆説的ブランド戦略だ。

リコーはデザインを大きく変えない。同じ手の感触、同じ操作系。カメラに慣れる時間が不要で、購入した瞬間から体が覚えている。これこそ、信頼の積み重ねである。

同時に、リコーは内部構造を大胆に刷新する。センサー、エンジン、アルゴリズムをすべて更新し、見た目は古いが中身は最新という矛盾を美学に変えた。つまりGR IVは、「外は伝統、内は革新」という温故知新の具現化である。