皇室典範の想定外が勃発する現状
皇室典範は、男性皇族が数多く存在する状態を想定し、それをもとにそれぞれの条文が作られている。ところが、現実には男性皇族の数は減り続け、今や天皇を含めて5人しかいない。しかも、今上天皇より年下なのは、秋篠宮と悠仁親王のわずか2人である。想定外のことは、これからも頻繁に勃発するはずである。
こうした状況が生まれる中、それに関連して注目すべき本が刊行された。それが、本郷恵子氏の著作『天皇家の存続と継承 中世の転換から現代へ』(吉川弘文館)である。本郷氏は、テレビでも活躍する歴史学者の本郷和人氏の夫人で、最近まで東京大学史料編纂所の所長を務めていた。
私は、和人氏とは対談本である『鎌倉仏教のミカタ 定説と常識を覆す』(祥伝社新書)を出しているが、恵子氏の著作も読んできた。中世史が専門で、今回の著作が刊行されるきっかけは、上皇の生前退位を実現するための有識者会議のヒアリングに呼ばれたからだという。したがって、中世史の研究成果を基に、現代の皇室のことについても著作の中で述べられている。
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