幼くして天涯孤独、16歳で左目を失明した

ダブリンに住む大叔母サラ・ブレナンに引き取られることになった八雲は、1863年、13歳でイギリス北東部、ダラム市近郊のカトリック神学校、ウショー・カレッジに入学します。八雲の回想によれば、ここで非常に退屈で、厳格なカトリック教育を受けたようです。

しかも、16歳の時にグラウンドの遊具で左目を強打し、失明するという不幸に見舞われます。八雲はウショー・カレッジの生活を通じてキリスト教への反発を強め、また家庭が崩壊してしまったこともあって、自分はこの世界に居場所がないという自覚を深めていきました。

とはいえ、古くは多神教世界だったアイルランドとギリシャの血を引く出自しゅつじですので、一神教であるキリスト教への反発が、かえって他の異文化に偏見をもたずに公平に見ていこうとする異文化理解の方法を形づくったのは確かといえます。