朝ドラでは描かれない小泉セツの素顔
いま放送中のNHK朝ドラ『ばけばけ』。物語のモデルは、明治の松江で生まれ、のちに文学者ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の妻となった小泉セツです。けれども、その人生は決して華やかなものではありませんでした。名門・松江藩の武家に生まれながらも、明治維新によって没落、文明開化の波に乗り遅れました。セツは「程度の高い女学校を卒業しなかった」と八雲に詫びたことがあったそうです。
貧しさに加え、当時の女性が置かれていた社会的制約も重なりました。最初の夫とは貧困が理由で離縁。その後、松江に赴任していた八雲と出会い、やがて心を通わせていきます。セツは日本の昔話や風習を語り伝え、八雲の創作を陰で支えました。そうした日々の積み重ねが、のちに八雲文学を形づくる大切な土台となっていきます。
セツの生涯は、明治という時代の変化を映す鏡でもあります。封建社会の崩壊、近代教育の広がり、そして女性が初めて「自分の意思」で生きようとした時代。彼女の生き方には、学歴や身分よりも「自分を信じる力」の大切さが刻まれています。
本稿では、プレジデントオンラインで配信した3本の記事を紹介します。記事では、朝ドラでは描かれない小泉セツの素顔をたどります。貧しさを受け入れながらも誇りを失わずに生きた女性の姿は、いまを生きる私たちにも通じる“強さ”を教えてくれます。
朝ドラ「ばけばけ」のモデル・小泉セツは貧しく「私には学歴がない」と恥じた…夫の八雲が返した完璧なひとこと
(2025年9月29日公開)
NHK連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロイン・松野トキ(髙石あかり)のモデルは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と国際結婚したセツだ。八雲研究の第一人者である池田雅之さんは「八雲の13冊にも及ぶ著作の誕生には、セツの助力が欠かせなかった」という。<続きを読む>
朝ドラ「ばけばけ」のモデル、セツの家はなぜ貧しかったのか…名門松江藩が明治の文明開化に乗り遅れたワケ
(2025年9月30日公開)
9月29日スタートの朝ドラ「ばけばけ」(NHK)は、明治時代、日本に帰化した文学者ラフカディオ・ハーンと妻セツがモデル。セツの故郷・島根県松江市で史料を調べた長谷川洋二さんは「セツはサムライの世が終わった、まさに激動の時代に生まれた」という。<続きを読む>
最初の夫は貧乏がイヤで1年で逃亡…朝ドラ「ばけばけ」のモデル・小泉セツと外国人男性が結ばれた不思議な縁
(2025年9月29日公開)
NHK連続テレビ小説「ばけばけ」で高石あかりさん演じるヒロインのモデルとなった小泉セツとはどんな人物だったのか。歴史評論家の香原斗志さんは「松江藩家老の血を引くが、士族の没落により11歳から働いて家を支えた。そんな彼女には幼少期の忘れられない思い出があった」という。<続きを読む>




