「この辺の住宅って相場よりも高めなんですよ」

「時々、回覧板が回ってくるからみんな知ってますよ。洪水のときはここら一帯が避難区域に指定されてるとか何とかって」
「だったら安全ですね」
「そうそう。他が洪水になってもここには届かないし、豪雨が降っても水は下に流れてくだけだし」

満面の笑顔だ。そろそろ本題に入ろう。

「じゃあ、水没エリアに住まなくて良かったと思います?」
「そりゃそうですよ」
「でも実際問題、そういうところに住んでる人はいるわけですけど、そのことについては?」
「というと?」