ジムニーの前身は「ホープスター・ON型4WD」

リストラが一段落した頃、「自動車に再参入を」という機運が社内で沸々と湧き上がる。そこで、小野は「量産化で失敗したのだから、受注生産で行こう。特殊車なら可能なはずだ。農林用の平和な軽四輪ジープ」(同書)と発想した。

こうして開発された軽四輪駆動車「ホープスター・ON型4WD」が、やがてはスズキに渡り「ジムニー」になっていく。しかし、ジムニーのDNAはもっと深い。

「ホープスター・ON型4WD」は、戦前に軍用車両として試作された小型四輪駆動乗用車「ホヤ」が源流なのだ。開発したのは、戦前の国策企業だった東京瓦斯がす電気工業(東京ガスとは無関係)。戦闘機や軍事車両のエネルギー源としてのガス、電気を研究する会社として1810年に設立された。航空機部、自動車部、兵器部、火薬部などがあったそうだ。