「今後は、定価を重視する消費者は減っていくと思う」

原田CEOは、プライスボードの定価の意味は薄れ、近い将来、クーポンで割り引きされた「実勢価格」のほうが主流になる時代が来ると予測する。

「ホットペッパー」「ぐるなびクーポン」などのクーポン需要が増えており、確かにその傾向は強まっているようだ。

マクドナルドでも、現在、紙のクーポンを大量に配布している。新聞の折り込みチラシ等で配布するほか、コーヒー無料券は、全国で数百万枚が配られた。クーポンをどれだけ多く配布したかを競う社内コンテストも開催され、上位入賞者10名には、原田CEO自ら広尾のレストランを借り切り、手作りのキムチチャーハンとけんちん汁を振る舞った。

「クーポン配布の意味は、第一に客数を増やすこと。利用者の中には、『しばらく行ってなかったけど、マクドナルドってこんなにいい店だったっけ?』という感想が多くあった」(原田CEO)

しかし1回につき数千万枚の紙のクーポンを発行するのは時間もコストもかかる。そこで、今年7月、マクドナルドはエヌ・ティ・ティ・ドコモと組み、イーマーケティング会社JVを立ち上げた。

携帯電話を使ったクーポンの電子化で、コスト低減とスピード決済が実現する。

「レジが30秒短縮されれば、売り上げが5%伸びる」(原田CEO)

現在は、350万人を超える会員を擁する「トクするケータイサイト」会員に対し、ケータイメールによるクーポンサービスを実施中だ。

「ウェブでもクーポンを実施しているが、印刷する手間がかかる。こちらは携帯電話さえあれば、クーポン価格で利用できるので、より便利だ」(原田CEO)

(田中靖浩=取材協力 大沢尚芳=撮影 ライヴ・アート=図版作成)

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