売上高5000億円超を狙う、原田マジック
2006年、マクドナルド創業者の自伝『成功はゴミ箱の中に―レイ・クロック自伝』(小社刊)を翻訳していたときは、フライドポテトやハンバーガーが無性に食べたくなり、原稿を持って近所のマックへ足を運んだ。マクドナルドの年間利用者数は約14億人、国民1人当たり、1年に10回以上利用する計算だ。マックは日常に欠かせない、という人もいるだろう。
不振の続く外食産業で、独り勝ち状態が続く日本マクドナルドホールディングス。2007年度12月期中間期決算状況の全店売上高は2402億円、前年比13.1%増。原田泳幸会長兼社長兼CEOの指揮下で黒字に転じた04年度以来、売り上げを伸ばしている。
「この4年間で全店売上高の伸びは約1000億円。吉野家、ドトールコーヒー、モスバーガーなど外食大手の売上高を上回る。今年度全店売上高の業績予想は4850億~5030億円。5000億を超えれば、日本の外食産業初の歴史的レコード」と、さらなる躍進に意欲を示す。
ITエンジニア出身で、計数センスに優れた原田CEO。アップルコンピュータを立て直し、その後マクドナルドへきて赤字を1年で黒字に変え、「原田マジック」と世を驚かせた。彼はどんな数字に注視し、どのようなロジックで企業を動かしているのか。原田流ビジネスファイナンス理論を解き明かしてみたい。