食生活の変化の主役は「肉類」と「油脂類」
コメを置き換えたのは肉類と油脂類であった。同期間に供給カロリーの構成比が、肉類は1.2%から8.1%へ、油脂類は4.6%から14.1%へと上昇した。2つを合計すると上昇幅は16.4%になり、コメの割合の低下の6割を占めることになる。食生活の変化の主役は、肉類と油脂類であった。パンの普及は、肉や油脂を使用した料理が一般化する中で、主食の選択肢を豊富化する役割を担った。コメの代わりに小麦が普及したのではなく、コメが一方的に主食から脱落していったのである。高度経済成長期以降の食生活の変化とは、穀物消費から肉・油脂消費への変化だった。
過去には政府も、肉や油脂によるコメの置き換え効果を、明確に認識していた時期があった。1980年に農林水産省農政審議会が答申した「80年代の農政の基本方向」は、PFC(タンパク質・脂質・炭水化物)バランスがとれた「日本型食生活」を、定着させるべき食生活として提起した文書として有名である。行政関係者によって執筆されたと考えられる解説本の中では、コメと肉・油脂の関係について、以下のように指摘されている。
「米の消費の減退は基本的には、所得水準の向上に伴い、畜産物、油脂等の消費が増加し、食生活が多様化した結果であるとみられる。即ち、近年の米から供給される熱量の減少と畜産物及び油脂から供給される熱量の増加との間には強い逆相関関係が認められる。(昭和――筆者による――)48年度以降総熱量は横ばい傾向に入っているが、この中での米の減少と畜産物、油脂の増加がほぼ均衡するようになっている」
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