気まずいインタビューで起こった「すれ違い」

僕自身の経験で恐縮だが、雑誌の編集者という仕事柄、インタビューをすることがある。そこで、熟考してから口を開くタイプの人と相まみえたことがあった。

例えば「あなたにとって幸福って何ですか?」と聞いても、黙ったまま3秒以上何も返ってこない。そうすると僕は、「漠然とした聞き方だったので、答えにくいのかもしれない」と気を回す。「では具体的に考えましょう。不快なことが一切起きなかった日と、楽しい出来事が起きたりうれしい知らせが届いた日だったら、どっちが幸福に感じます?」。よかれと思って、二択の質問に変えるわけだ。

しかしそうしても、向こうはじっくりと考え込んでしまう。僕は「なんだか話したくないことを聞いてしまっているのかも」と気まずい思いをしながら、インタビューを終える。