10年前の3倍になった住宅価格
なぜハンガリーが住宅の一次取得者に対して支援を行うかというと、建前上は、高過ぎる住宅価格に鑑みて、子育て世代を支援することにあるようだ。ヨーロッパでは、2010年代半ばに欧州中央銀行(ECB)が金融緩和を強化したことから、住宅価格の上昇に拍車がかかった。その中でも、ハンガリーの住宅価格の上昇は異様である(図表2)。
つまり、2015年を基準(=100)とする指数で測った場合、ハンガリーの直近2025年1~3月期の住宅価格は338と、三倍以上も上昇している。EU全体でも158と強いが、それと比べてもハンガリーの上昇は異様だ。政策当事者が注視する実質住宅価格(住宅価格を消費者物価で割り引いたもの)も196と、EU(119)を突き放している。
10年間で三倍以上となったハンガリーの住宅価格だが、その大きな理由は経済運営の失敗にある。要するに、ハンガリーはこの間、インフレ安定を放棄し、バラマキに終始してきた。物価高の中で安全資産としての不動産需要が高まり、それが住宅価格を押し上げる方向に働いた。物価高の経済で住宅価格が上昇することは当然の帰結である。
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