「相続」「遺言」を親と話し合う方法は

それどころか、相続に関する話をするのも難しいのが普通だろう。そこで、まずは家族でコミュニケーションを密にすることから始めよう。そして、次のようなタイミングで一度は親と、できれば家族で、相続について話し合ってみるといい。

・親から生前贈与を受けるとき
・家族の誰かが親と同居を始めるとき
・親に介護が必要になったとき
・親からお金の運用を相談されたとき
・高齢者を狙った詐欺事件が起きたとき
・身近な人の相続争いの話題が出たとき

まずは、みんなで家族の思い出を話し合うのが第一歩だ。そして次に、家族全員の現在の状況を話し合う。その後で、親は今後どのように暮らしていきたいか、将来のことを話し合うといい。こうしたことについて、家族が共通認識を持つことが円満な相続にもつながるのだ。

話し合った内容を書面に残すのが次の段階だ。市販されている「エンディングノート」といったものを利用するのもいいだろう。書面があれば、それだけでも相続のときに役に立つ。そして、遺言をスムーズに書くこともできるはずだ。

こんな人は相続対策を考えよう!

もめる相続×もめない相続
[著]灰谷健司
(角川マガジンズ)

□親が60歳以上
□親に配偶者がいない
□親の体力・気力が落ちたと感じている
□兄弟姉妹が2人以上いる
□親と同居している兄弟姉妹がいる
□海外に住むなど連絡のつきにくい家族がいる
□親から生前贈与を受けた額に大きな差がある
□親の財産の内容がわかりにくい
□再婚など家族関係が複雑
□自分に子どもがいない
□家族で相続について話し合ったことがない

(有山典子=構成)
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