「書籍PR」という職業をご存じだろうか。出版社の依頼を受けて、新刊をテレビ、雑誌、ウェブメディアなどで取り上げてもらうよう働きかける仕事だ。
一般的なPRは、大量のリリースを一斉に送ることで採用の確率を上げる。しかし黒田さんは「一人ひとりとのコミュニケーションにものすごく手間暇をかける」というやり方でベストセラーを連発しているのだ。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(黒川伊保子著)は、シリーズ70万部を超えるヒットを記録。『いつでも君のそばにいる』(リト@葉っぱ切り絵著)をはじめとする葉っぱ切り絵シリーズは30万部を突破した。
PRの際の黒田さんの第一声は「今度、こんな面白い本が出ます」ではない。「今、欲しいネタありますか?」だ。聞くのは「お困りごと」。たとえばテレビの情報番組のディレクターは、「行列のできる店」を紹介したい。だが適当な店がなくて困っている。「じゃあ、行列じゃないけど、こんなのはどうでしょう。予約2年待ちの大人気の片づけ先生がいるんですよ!」と提案してみる。すると「それ面白いね」と考えてもらえるのだという。「仕事をしていて困りごとのない人はいません。もし『困っていることは特にない』と言われるなら、それはまだ自分が“相談されるキャラ”になり切れていないということかも」
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(インタビュー・文=長山清子 撮影=ミヤジシンゴ)



