世代別「老後破滅」ウイルス&処方箋
●「右肩上がり」夢遊病
【症状】バブル期も経験し、給料は家族の成長に合わせて毎年上がるものと思ってきた。戦後生まれに特有の病。これまでは夫の給料だけで十分余裕のある生活ができたので、いまもその夢を見ており、食費や光熱費の節約はする気がない。生活レベルを下げる暮らしは想像すらできない。
【処方箋】まずは食費や光熱費を減らすことから始めよう。一般家庭の食材廃棄率は平均3割という。冷蔵庫チェックをするだけで食材の無駄を減らせる。これを習慣にしてしまえば完治する日も近い。
●「子巣立ち幻想」障害
【症状】子どももそろそろ大学生。これまでかかっていた学費や塾代が減るのでそれを老後資金に回せばいいし、「とくに準備などしなくてもいいのでは」という悪魔のささやきに頭の中を支配されている。
【処方箋】塾代や通信費など、自由に使わせていると子どもは「うちは裕福」と勘違いし、いつまでも自立できなくなる可能性も。大学生なら奨学金を活用しよう。スマートフォン利用で高くなりがちな携帯電話代は一部本人に負担させるなど、子どもの頃から正しい金銭感覚を身につけさせる。
横山光昭
1971年生まれ。FPとして司法書士事務所に勤務した後、2001年に独立。5300人以上の家計を再生した実績を持つ。