1つわかったことは、人は自分の話をきちんと聞いてくれた人のことは好ましく思うということです。ですから、結果として引き受けるときも断るときも、好意を前提にしたコミュニケーションを絶やしてはならないのです。
一方、すべてを引き受けるのではなく、適切に断ることができれば、むしろ自分の評価を上げることもできるということに気がつきました。理由さえしっかりしていれば、断ったのに「あの人はしっかりしている」と感心されたりするのです。
自分に軸がなく、何でも安請け合いして結局、約束を守らない八方美人型の人よりも、断り方を心得ている人のほうが、相手からの評価もずっと高いということを知っておくべきだと思います。
成果を上げるには「捨てる」しかない!
効率的に時間を使うには「捨てる」ことも重要です。ポイントは「8割整理・2割整頓」です。
会社再建に奮闘していたころ、私は意識的に「成果を出しつつ輝き続けている人」を観察してみたところ、この人たちは整理整頓が上手だということに気がつきました。「整理」とは捨てること、「整頓」とは残ったものを元の場所に戻すこと。そして、これらの人たちをさらに観察すると、整理整頓の対象は、行動、情報、時間、思考、人間関係の5種類となりました。整理すべきことの比率を求めると、おおよそ8割。つまり彼らは8割を捨てていたのです。
では、何を基準に「捨てる」のでしょうか。私は人からの頼まれごとでパンクしそうになっているときに、「8秒ルール」と呼ぶ自分なりの規則を決めました。
たとえば、仕事に関して必要な情報が入ってきたとき、その情報がMOST(最大限に必要)かMUST(絶対になくては困る)である場合は、瞬時に判別して取り置きます。問題なのは、そこまで重要ではないが、無視はできないというときです。
その場合は、次のような“呪文”を唱えて8秒以内に捨てることにしたのです。
すなわち「アクティブに行動しないと成果は出ない」「抱えているものが多いと行動できない」「アクティブになるには捨てるしかない」……。