「家を自分好みにしたい人」にはおススメ
かといって、必ずしもマンションのほうがいいとは限りません。マンションのメリット・デメリットと戸建のメリット・デメリットを比較のうえで、自分にとってどちらを選ぶのがベストかをよく考える必要があります。
戸建には、マンションにはないさまざまなメリットがあります。何でも住民同士で話し合って決めなければならないマンションと違い、我が家の管理や修繕の計画を自分だけで全部決められるのは、戸建のメリットと言っていいでしょう。
もちろん、相応の知識や計画性は求められますし、手間もかかります。それに、複数人で資産を共有しているマンションと違ってスケールメリットが働かないので、修繕のコスト負担も高くなりがちです。それでも、他人の意見に翻弄されて、ときに損する恐れすらあるマンションに比べると、自分の資産の問題を他人にゆだねることなく、自分で考えたい人にとっては戸建がベターです。
戸建は建物が独立しているため、周囲に音が響くことをそこまで気にする必要がなく、騒音トラブルに巻き込まれづらいのもメリット。駐車場代がかからないことや、外観・内装に好きなように手を加えやすいこと、ペットを飼いやすい点に魅力を感じる人も多いでしょう。庭付きの物件を買い、ガーデニングやバーベキューを楽しみたいという理由で戸建を選ぶ人もいます。
資産価値を維持できるのは都内の一部だけ
エリアによって一部例外はあるものの、基本的には戸建のほうがマンションより人付き合いの必然性が低いため、隣近所と密にコミュニケーションをとることなく、気楽に暮らしたい人にも向いています。
マンションは人間関係が希薄だと思われがちですが、分譲マンションでは管理組合の総会や防災訓練などで、住民同士が顔を合わせる機会が意外とあります。むしろ、住民同士のかかわりが深く、活気があるほうがいいマンションと言えるため、近所付き合いが皆無の場合、住民が管理に無関心な人ばかりの危険なマンションかもしれません。
前述のメリットの一方で、戸建には「資産性が低下しやすい」という決定的なデメリットがあります。
土地に関していうと、千代田区、中央区、港区で構成される「都心3区」や新宿区、渋谷区を加えた「都心5区」などのごく限られたエリアを除き、戸建が立ち並ぶ駅から離れた住宅街は、今後地価が下がる可能性が濃厚です。