一方、川田家の食費を見ると、5万5000円で収入の20%近くを占める。妻が働いているため、総菜を利用したり外食する回数が増えているのが原因だ。理想は収入の15~16%なので、4万7000円程度には抑えたい。

通信費やこづかいも川田家のほうが多い。通信費は収入の6%、こづかいは10%が目安なので、それぞれ1万7000円、2万8000円に削減するのが目標だ。

また、川田家の保険料は3万5000円で、これも引き下げの余地がある。夫婦の医療保障を中心とする保険に見直し、夫の死亡保障は掛け捨て型の定期保険にすれば、保険料は計2万2000円程度まで下げられそうだ。

このように、川田家の場合は少しずつの油断が積み重なって、毎月の赤字を招いている。月1万円の天引き貯金をしているものの、赤字では意味がない。まずは毎月の赤字を解消するところから改善を始めよう。そうすれば、ボーナスの赤字補てん50万円をそのまま貯金に回すことができる。その次のステップが、毎月の貯金を増やすことだ。

妻がすでにパートで働いている家庭では、収入をこれ以上増やすのは難しい。毎月の予算を決めて守ることを心がけ、1つ1つ節約を積み重ねていくことが肝心だ。

鈴木家はここが優秀!
バランスのいい節約で大学進学も安心

全体にバランスよく節約ができている。食費は収入の15~16%程度が理想で、鈴木家では4万5000円程度はかかってもおかしくないのに、3万5000円に抑えているのがポイント。その一方で旅行費用を多めに使い、生活を楽しみながら年間56万円の貯金ができている。このペースで貯金を増やせれば、子ども2人の大学進学資金も心配いらないだろう。

川田家はここを改善!
少しずつ削減してまずは赤字解消を目指す

特に贅沢している部分はないのに、ほんの少しずつ使いすぎが積み重なって、トータルで赤字になってしまっている。いきなり貯金しようと考えるより、まず赤字解消を目指すといい。食費8000円、こづかい1万2000円、保険料1万3000円で計3万3000円削減、貯金を含めると毎月の赤字が解消して、ボーナスの赤字補てん額を貯金に回すことができる。

(有山典子=編集・構成 PIXTA=写真)
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