安定を望む学生、それを嫌う企業

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文系男女の人気企業ベスト10

もちろん学生は企業研究の結果選んだのであり、必ずしも“3高企業”だから選んだわけではないが「上位校といわれる学生は安定度を重視する傾向がある」(乾編集長)のも事実だ。しかし、逆に採用する側の企業は安定を求める学生を嫌う。大手食品会社の人事部長は「うちに入れば安心だという姿勢で受けにくるが、そういう人はいらない。旺盛な探求心の持ち主かどうかを見ている」と語る。

これは上位を占める総合商社も同じだ。商社マンといえば、中東やアフリカの危険地帯をはじめアジアや南米の新興国にいち早く出かけて商機を開拓する仕事であり、仕事の中身は安定とは無縁の世界だ。総合トップの伊藤忠商事が欲しい学生は「志をもって未知なる領域に踏み込み、新しいことに挑戦していける人。バイタリティと好奇心に溢れ、もっと言えば“商売”がしたい人」(人事部)という。

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理系男女の人気企業ベスト10

また、日立製作所の人事担当者も「朝出社して、席に着いてコーヒーを1杯飲んでから指示された仕事をして1日を過ごそうというような人はいらない。自らキャリアを切り開きたい人に来てほしい。そして会社が命じたら、いついかなるときでも動ける機動力がある人がほしい」と指摘する。

景気に左右されない不動の人気企業もある。総合8位、理系女子3位の資生堂もその1社だ。理系女子の人気の秘密について同社は「女性にとって身近な商材である化粧品の研究開発、製造に関われることが大きい」(人事部)と分析する。一方、国内市場にとどまらず海外売り上げ比率の拡大を目指した海外進出を積極的に推進している。求める人材のキーワードはイノベーションだ。「多種多様な価値観を認めながら、信念をもって高い目標を掲げ、成果に結びつける主体的な行動ができる人」(人事部)を求めている。

だが、学生の人気が高い企業でも入社できるのはごくわずかだ。採用数は総合商社でも100人を超える程度にすぎず、人気の食品でも50人に満たない企業もある。乾編集長によると「最近は、中堅・下位の大学は中堅・中小企業を目指すように指導する」

ランキング企業は大多数の学生にとって高嶺の花の存在なのだ。

※ランキングは「学情」が2014年3月卒業予定の全国大学3年生、および大学院1年生7919人に対し、12年12月1日~13年1月28日にかけて実施したアンケートに基づいて作成。

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