相手のタイプに合わせて議論を進める

このモデルはポール・マクリーンの考案した「三位一体脳モデル」と、ロジャー・スペリーの「右脳左脳モデル」を組み合わせたものなので、思考から発生する相手の言動や行動からどのタイプかが類推できます。

この4パターンは右脳系か左脳系かの分類と大脳新皮質(理知的)か辺縁系(本能的)かの4つの分類で表されます。

①論理的

このゾーンは論理的・分析的なアプローチを好み、数字やデータを重要視します。淡々と話し、細かい指摘やデータを元に意思決定します。

前田鎌利『歴史的プレゼン』(クロスメディア・パブリッシング)
②堅実的

緻密に計画を立てて実行するタイプで、最後までやり遂げる責任感の強い傾向があります。保守的で勤勉、スケジュールを気にするタイプです。

③独創的

このゾーンは新鮮で未知な要素を求めます。また全体的な視点を持ち、メタ認知的な要素もあります。話題がコロコロ変わってしまったり、身振り手振りが大きかったり、例え話をやたらしたりします。時間にルーズな傾向もあります。

④感覚的

このゾーンの人は精神的な面に影響を受けることが多いタイプです。とても友好的でコミュニケーションを自分から行いますし、人の気持ちに寄り添うことも可能です。相槌がやたら多かったり、自らコミュニケーションを取ろうと積極的にアクションしたりします。

この4つのパターンをベースにして相手のことを知り、相手の立場に立って議論を進めるようにしましょう。

今回の清洲会議では、勝家は保守的で堅実的なタイプで設定し、秀吉は独創的でありながらも左脳的な傾向も持っている設定にして、ロジカルに根拠を用意して説明するようにしてみました。

実際のビジネスシーンでもぜひ、プレゼンで勝ちきる際の参考にしてみてください。

point
・会議に入る前にアジェンダを準備
・サマリーだけでなく補足資料も
・ハーマンモデルで相手のことを知ろう

※本書は史実をベースにしたフィクションを題材にしています。

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