若手社員の去就は上司・先輩で決まる

会社に人生を預けることができなくなった就活生は、「自分の人生=仕事=キャリア」は自分で設計しなければいけないと考えるようになりました。そして「働きがい」を重視した就職活動を始めます。

キャリアに対する意識が高い学生ほど、会社に固執せず、スキルを身に付けたいと考える傾向にありました。

思っていた仕事ではないからと、安易にダイレクトリクルーティングで転職してしまい、結果的にキャリアが積みあがらなかった話も多く聞きます。

入社3年目の若手は、ダイレクトリクルーティングを活用して転職すれば、自分に合わない会社でこの先何十年とくすぶった時間を過ごさずに済むかもしれません。企業もミスマッチングな社員を何十年も抱えずに済みます。

しかし、「入社3年で3割離職」は、直属の上司や先輩がきちんと向き合うかどうかで決まると思います。若手社員にとって、働きがいの要素を占めるのは「上司・先輩が自分の仕事を認めてくれるか」「所属チームの一員として頑張れているか」「仕事の仲間がいるか」だからです。

木を見ても森を見ることができない入社3年生の「目」となり、森の景色やその素晴らしさを教えることが、上司や先輩の仕事です。そういった人材が会社にどれだけいるかがこの課題を乗り越えるポイントではないでしょうか。

転職潜在層を狙い撃ちする新たな手法

ダイレクトリクルーティングの登場によって、転職市場は大きく成長しました。

ダイレクトリクルーティングとは、企業が求人広告を出すのではなく、求職者に直接アプローチする手法です。例えばLinkedInやSNSを利用して、求職者のプロフィールを見て直接連絡を取ります。

従来の求人手段は、求人広告やメディア等に求人内容を掲載し、求職者からの応募を待つスタイルでした。近年は、労働人口の減少や売り手市場が続いたことで、転職潜在層に対しても積極的なアプローチをするようになったのです。