夜の読書を続けると明らかに変わるもの
毎日、1時間から2時間、夜のゴールデンタイムを読書に使い、それを3カ月続ける。それだけで、あなたの話し言葉は明らかに「深く」なります。
本を読んでいる人と読んでいない人とでは、話し方が歴然として違います。
まず、語彙の量が全然違います。日頃から本をしっかり読んでいる人は、ボキャブラリーが着実に増えてきます。
そのため、話し方が自然と知的になってくるのです。「いつの間にそんな言い回しを覚えたの?」というくらいに変わります。同時に、話すテンポもてきぱきしてきます。
ただ日常を生きるだけなら、「かわいい」「やばい」など、感覚的な単語を5~10語使うだけでも過ごせてしまいます。実際、SNSでもそのような単語が行き交っていますが、残念ながら、あまり知性を感じません。
語彙の少ないSNSやインターネットの世界から離れて、本の世界で膨大な語彙のシャワーを浴びましょう。
読書量が足りない人は書き言葉で話せない
また、本をたくさん読むと「書き言葉で話せるようになる」ということも大きな特徴です。その人が話した音声をそのまま文字に起こしても、しっかりとした文章になっている。そのような話し方ができるようになるのです。
読書量が足りない人は、話した言葉をそのまま文字にすると、主語と述語の関係に大きなねじれが生じることが多くあります。「○○は」から始まった文が、「△△である」と終わることなく、新たな「××は」が入り込んでしまう。
たとえば、野球の解説者が次のような解説をしていたらどうでしょう。
「私は、今のボール、アウトコースにギリギリ入っていましたけどね。私は、今日の審判は少し厳しいですね」
この二つの「私は」はどこに行ってしまったのか、気になりますよね。
これは極端な例ですが、プレゼンでも、学生の研究発表でも、同じように「一つの文に複数の主語が入ってしまう」という例はかなりあります。
「話し言葉がそのまま書き言葉になっている」という話し方は、読書をしている人だけに可能な能力です。活字を見慣れているために、自分の言葉が活字になったところを想像できるのです。
主語と述語の関係がねじれることなく、聞き手にわかりやすく説明できます。ここをねじれた文章で話してしまう人は、読書量が足りません。複雑にものを言おうとして、結果、何も伝わってこないというのが、読書量が足りない人の話し方です。
夜の深い読書を続け、学ぶことで、こうしたことは自然に回避できるようになります。