スマホは受験勉強と相性が良くない

逆に、東大生が積極的にインストールしているアプリは何でしょうか。

実名で挙がったのは「英語アプリmikan」や「モノグサ」「Quizlet」といった暗記アプリのみで、それ以外の回答はありませんでした。暗記アプリ以外に活用方法がないというよりも、少なくとも今回話を聞いた東大生たちは学習にほとんどスマートフォンを導入しておらず、暗記アプリ以外の存在を知らないようでした。その証拠に、「受験生は勉強中にスマホを活用すべきですか?」と尋ねると、彼らはそろって「積極的には使うべきではない」と答えました。

「時間を決めて暗記アプリを利用するなどルールを決めるべき」「リスニングの音声データ再生用のみで運用すべき」などスマホの用法を限定しての活用を認める人もいましたが、大半は「積極的には使わないほうが良い」と答えていました。

その理由として、「科学的な研究データとして、電子スクリーンによる読解よりも紙媒体の読解の理解度が高いことが示されているため、できれば紙媒体にこだわったほうが良い」「本番は結局紙とペンだけで勝負をするため、本番に近い環境で練習をするのであれば、受験本番に近づくほどデジタルデバイスの活用頻度は減らすべき」といった意見がありました。

ただ、完全に否定一辺倒ではなく、「スマホを含めた電子機器のない世界は今後考え難く、どうしても生活に入り込んでくるので、それらとうまく付き合うトレーニングとして受験期のスマホを運用するとよい」という意見もありました。