ニュースや情報番組でも使われる「伝え方のセオリー」とは
テレビ番組は、常に視聴者を意識しながら構成を考えています。
リモコンのボタン1つで、「いつでも」「一瞬で」チャンネルを替えることができるため、最初から最後まで興味をひき続けられるような構成が求められます。
そのため、テレビ番組では、重要なことや面白いことから順に伝えていくことをセオリーにしています。
ニュースや情報番組は、冒頭で概要や結果を伝え、バラエティ番組でも最初に強いネタを持ってきます。このセオリーは説明においても鉄則です。
実際に説明する順番の決め方をケーススタディで考えてみましょう。
次のシーンは、取引先に挨拶に行ったときの場面です。
この例は、伝えたい要素が複数あるために、話の趣旨がよく分からない状態になっています。これを整理して伝わりやすい形に修正していきましょう。
まずは要点を整理し、全体像から結論をまとめる
まずは、重要度の高い項目をピックアップしていきます。
この説明の伝えたい要素を抜き出すと次のようになります。
・営業担当がAからBに変更
・納期は予定通り
・サポートは引き続きしっかりする
・価格は2割引きが可能になりそう
この中で、聞き手がもっとも興味がありそうなのは、やはり嬉しいニュースでしょう。
ということで、価格の話を最初にするべきです。
その後で、担当者の変更や納期の件を伝えます。
また、Aさんの個人的な話や引き継ぎに時間がかかっているなどの自社都合の話は、説明の途中に挟むと分かりにくくなります。ここは削除して要点だけにします。
難しいのは、結論部分が1つではないこと。
今回は概要報告のため、最初の結論は全体像について話します。
そして、最後は決意表明がよいでしょう。
以上を踏まえて、最初の文章を整理すると次のようになります。
要点が整理されて、ずいぶん分かりやすくなったと思います。