アイロボット社のロボット掃除機は世帯普及率10%を達成

さらに24年4月には、日本市場においても、国内の同社製品累計出荷台数が600万台を突破したことを発表している。これによりアイロボットジャパンが18年に中期目標として発表した自社ロボット掃除機の全国世帯普及率10%を達成している。

世界各地において、着実にロボット掃除機市場を創造しているのだ。

アイロボットジャパンが22年7月に行った、アイロボットユーザー登録をしている20代〜70代の男女、6916名を対象としたアンケート調査によると、ルンバに対する満足度は「購入した金額と同等以上」と考える人が9割を超えている。

同社は、製品単独ではなく、サービスとしてロボットを提供し、顧客への新しい“お掃除体験”の提供に成功したのだ。

ダイキンの子会社は「空調のサブスク」で成功

ダイキン工業の100%子会社に、ダイキンエアテクノという空調と建物設備のサポートを行う会社がある。同社と三井物産が共同し、空調の最適化を提供するエアアズアサービス株式会社を設立し、2017年からは「Air as a Service」(エアアズアサービス)という空調サブスクリプションサービスを開始している。この事業は三井物産が持つ情報通信技術機能とファイナンス機能と、ダイキンエアテクノが持つ空調技術、空気の最適化に関する専門知識を組み合わせることで成り立っている。

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サービスのポイントは、顧客(建物オーナー)の空調管理の負担を取り除けることにある。月額固定料金制で、オーナーに代わり同社が空調設備の設置、所有をし、利用実態を分析した最適な形で運用管理を行う。顧客は管理という業務を負担することなく、快適かつ省エネルギーな空調空間を獲得できる。

エアアズアサービス社の主な顧客となる市場は病院、介護老人保健施設・福祉施設、宿泊施設などだ。サービス提供に際して同社は、事前の計測とヒアリング、最適機器の選定、設計、修理・保守計画の策定を行い、初期費用と月々の利用料の提案をする。サブスクリプションの料金内で、遠隔自動点検、空調トラブルを未然に防ぐ予兆保全なども請け負う。

このサービスを開始するため、同社は100件ほど顧客への提案活動を行い、顧客が現状の空調環境に対してどのような不満を抱えているか、入念な事前調査を行ったという。