高敞南小学校の「イングリッシュセンター」と呼ばれる施設。病院や空港のセキュリティーチェック、航空機のキャビンなどを模した空間がある。

韓国の小学校で英語教育が取り入れられたのは1997年。指導要領によって、3年生から学校で週2回、5年生からは週3回の英語授業を行うことが定められている。

まずは5年生の教室を覗いてみる。といっても、英語の授業は自分たちの教室では行われない。学校内に「イングリッシュセンター」と呼ばれる場所があって、児童たちは音楽や図工の授業と同様、移動して授業を受ける。この「イングリッシュセンター」には、飛行機の中や空港施設、そして欧米のショッピングセンター、スーパーマーケット、カフェ、病院を模した施設がある。実際に海外に行った状況をシミュレーションしながら、会話を学べるように、だ。

英語授業専用の施設が地方の小学校に次々と造られていて、この学校では2007年に整った。郡の教育支援庁(日本の教育委員会にあたる)の英語教育担当者によると、こうした施設はむしろソウルの公立校よりも、地方のほうが充実しているそうだ。

いつも英語教師が2人

高敞南小の英語授業は、先生が2人態勢だ。1人は英語教育での修士号を持つ韓国人の梁(ヤン)先生。音楽や図工のように、その教科だけを担任する英語専門の先生だ。学級担任の先生が教えることがほとんどの日本よりも、特別な技術を持つ教科担任が教える韓国のほうが、より充実した英語教育が行えるのは間違いない。

そしてもう1人は、アメリカ・ミネソタ州出身のエリス(Elyse Lacosse Walsh)先生。教育支援庁が契約した英語のネイティブスピーカーだ。
 こちらは必ずしも英語学を専攻した人や英語教師の経験者ではないが、大卒以上がほとんどだ。若者もいれば、英語を教えながら老後をアジアで過ごすことに決めた定年後の夫婦もいる。アメリカやニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ共和国などから1~2年契約でやってくる。