お互いの手取りを確認し合う
そうならないようにするためには、次のような2段階を経て対策するのがおすすめです。夫36歳・妻30歳の夫婦を例に考えてみましょう。
1.月収の手取りを確認
まず、お互いに正確な数字である月収の手取りを再確認します。口頭で話すだけ、聞くだけで済まさず、会社から今月はいくら振り込まれているのか、実際に明細と給与口座で具体的な金額を目視、確認し合うことです。今月は残業が多く、月収が増えたということもあり得ます。
特に、3月は期末調整されることが多く、月収が半分に減ることもあります。社会保険料や年金なども差し引かれていますので、それらを引いた手取り額をWEB口座や通帳を見せ合い、ちゃんと確認し合うことです。
これが一番大事なスタート地点です。相手に対して思いやりを持つには、まず事実確認が大事です。金持ち夫婦になれるかどうかの分かれ目ですので、毎月、月末に確認し合う習慣をつけましょう。
さらに、年度末には、二人の源泉徴収票を見せ合うことです。家を買ったり副業をしたりした場合や、確定申告の際の所得税の控除などにも役に立ちます。
これができたら、次のステップです。
支払い額は収入に比例させる
2.それぞれの収入に比例して支払いの割合を決める
夫は妻に「自分の給与口座を見せるから見せて。交換しよう」と切り出すことができました。
夫は年収360万円で月30万円ですが、毎月の手取りは次の①から⑤の税金や社会保険料を差し引くと23万7059円だけです。
(月30万円-①②③④⑤=23万7059円)
①所得税5950円
②住民税1万2741円
③健康保険料1万5000円
④厚生年金保険料2万7450円
⑤雇用保険料1800円
業績がいい今年の場合は、6月に、たまたま1カ月分のボーナスが追加されました。しかし、妻は、夫の給与が予想以上に少ないことを改めて確認して、少しショックを受けました。
妻の場合は年収312万円。契約社員なのでボーナスはありません。月収26万円で、手取りは20万3317円でした。
(月26万円-①②③④⑤=20万3317円)
①所得税5560円
②住民税1万3800円
③健康保険料1万2753円
④厚生年金保険料3万3790円
⑤雇用保険料780円
お互いに、健康保険料などが引かれていることを計算していなかった上、相手はもっとたくさんもらっていると勘違いしていたのです。
妻は、夫の手取り額を知って、「自分の給与からも引き落としてもいい」と言い出しました。これは、すごい進展です。
一方、夫も、妻が雇用保険や年金をちゃんと払っていることに安心し、そこまで将来のためにガメツク貯金しなくてもいいという気になりました。心に余裕が生まれました。これだけでも、お互いを思いやる気持ちが増えたと思います。