無神経な夫たちに妻のイライラが止まらない

いつの時代も、パートナーに対する日常的な不満は大きなストレスの一因となる。夫婦のどちらか一方、あるいは双方に過度なストレスがかかった状態が続けば、家庭そのものが我慢を強いられる場所となり、苦痛に感じるだろう。やがて夫婦関係にほころびが生じ、挙げ句の果てに「離婚」の2文字すら見えてくることもある。

そんな事態に陥らないために大切なのは、「夫婦間にもマナーが存在する」という意識を持つことだ。マナーとは、「相手が不快感を覚えないための心遣い」。それが欠けてしまうと、どれだけ愛し合った2人であったとしても、愛情は目減りしていき、最終的には見捨てられてしまう。

家事を手伝わない男性に欲求不満な女性
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

実際に、夫婦間のマナー違反がきっかけで離婚の危機にいたった例として、こんなケースがある――。

モラハラ発言1・「昔は美人だったのに今は……ね(笑)」

「あまりにもデリカシーのない夫の言動に、もう我慢の限界です」と語るJ子さん(43歳)には3歳年上で会社員の夫と2人の子どもがいる。J子さんいわく、「出会った頃の夫の印象は、職場や飲み会でも周囲を笑わせて場を盛り上げる陽気な人」。ところが、結婚して15年、「世の中のマナーやコンプライアンスの常識が厳しくなった今、家庭内でもそこはお互いに最低限は気を配るべきだと思う。にもかかわらず、あの頃から自分の言動をまったくアップデートしようとしていない夫に苛立つばかりだ」とあきれる。

たとえば、加入している保険の見直しをしようと夫婦で話し合いをしていたときのこと。「自分が想像していたよりも我が家の貯金の額がだいぶ少なかったようで、『ねえ、どうしてこんなに貯金ができていないの? J子って、昔からお金に弱いけれど、よくパートが勤まっているよね(笑)』などと、まるで私の金銭管理能力が低いかのようにバカにしてきた夫。結婚当時からほとんど上がっていない夫の給料で節約生活に徹している私の苦労をまるで理解しようとしていないことに猛烈に腹が立った」。J子さんは心の中で「貯金が少ないのは、おまえの稼ぎが悪いからに決まっているだろう!」と毒づいたという。

離婚の危機の決定打となったのは、飲み会帰りの夫が突然、職場の後輩を連れて帰宅したときの夫の言動だった。「『これでも結婚前はスタイル抜群のいい女だったんだよ。今はすっかり所帯じみちゃったけどな(笑)』と結婚生活や出産を経て体形が変わった私のことをあざ笑った。夫と子どもを支えることが中心の生活で、いつも自分のことは後回し。キレイになるためのお金と時間の余裕なんてゼロなのに、老いて太った私でウケを狙う夫が許せなかった」(J子さん)