2014年に1万ドル投資をしていれば、10年で2.7万ドルに

金融庁の肩を持つわけではないが、貯蓄から資産立国へのスローガンで始めた新NISA制度は上記の条件を満たしていて評価できる。結論は月並みであるが、短期で大きな利益を得ようとするのは投資ではなく、一種のギャンブルだ。

浦上登『70歳現役FPが教える 60歳からの「働き方」と「お金」の正解』(PHP研究所)

アメリカS&P500指数の過去10年の複利ベース年平均利回りは10.62%、過去50年の複利ベース年平均は8.65%である。

1974年に1万ドル投資をすれば、50年で63.4倍の63.4万ドルに、2014年に1万ドル投資をすれば、10年で2.7倍の2.7万ドルになっている(一括投資でドルで運用、手数料・税金は考慮しない場合)。これだけ増えれば、資産形成という観点からは、大成功だということができる。

具体的には、NISAやiDeCoを使って、S&P500のようなインデックス・ファンドに長期積立投資をするのが基本的な資産運用方法ということになる。

関連記事
毎月2万円以下なら「オルカン」と「S&P500」はお勧めしない…新NISAで「素人が本当に買うべき金融商品」とは
「S&P500」「オルカン」一択の大きすぎる落とし穴…私が「0歳からのNISA開設とお金教育」を訴えるワケ
現金1000万は10年後に817万、30年後に545万に…"5年で20%超リターン"もある新NISA「つみたて投資枠」厳選12
新NISAの積立で上限額「10万円」を突っ込むリスク…平均月5.8万円の中"沸騰状態"の人が見落としがちな幸福感
日本人が“昼と夜の営み”を普通にすれば円安はますます進む…新NISAの加入が「円売り行為」と言える理由