「一度言った」では、男性には伝わらない

お茶や食事をご馳走になってもお礼を言わないのは論外だが、お礼は一度だけでは到底足りない。A子さんは、食事をご馳走になった相手に「お礼は伝えました」と言うが、よく聞いてみると「ご馳走さまでした」と伝えたのは1回だけ。それでは感謝の気持ちも、「また誘ってほしい」という気持ちも伝わっているとは思えない。

お礼の言葉は、①その場で口頭で、②帰宅してからメールや電話で、③次にあった時に口頭で、少なくとも3回は伝えたい。当然ながら、事務的なお礼では気持ちは伝わらない。3回以上、笑顔でお礼を伝えて、ようやく「喜んでくれたんだな」「自分に好意を持ってくれているのかな」ということが伝わるものなのだ。

感謝を伝えるのは、おおげさくらいでちょうどいい。メールの文面は、事務的にならない程度に笑顔の絵文字を入れるのもおすすめする。

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基本的に、ほかの男性の話題はNGだ。元カレの話をわざわざする人は少ないだろうが、意外としてしまいがちなのが推しの話。A子さんも初対面の人にBTSのすばらしさを布教してしまったことが何度もあるという。たとえ有名人であっても、自分以外の異性の話をされて嬉しい人はいない。

また、仕事の愚痴や重い身の上話なども、初めてのデートでは避けたほうがいい話題だ。何度か会って、親しくなってから打ち明ければいいと思う。

「そこまで媚びないと結婚できないのでしょうか」

アドバイスを聞いたA子さんは、眉をひそめてこう言った。「それほど好きでもない人に、そこまで媚びないと結婚できないのでしょうか」と。アラフォー・アラフィフ女性の中には、「婚活で好感度の高い言動をすること」を「男性に媚びる行為」だと嫌がる人がいる。

しかし、相手の側に立って考えてみてほしい。一度会っただけの相手を誘うのは勇気がいるものだ。見た目や雰囲気がよほど好みのタイプなら別だが、それほどでもない相手を誘って、断られるのは誰だって避けたいと思うはず。断られても気にせず、ぐいぐい誘えるタイプの男性は婚活市場にはそもそも少ない。

せめて相手が誘いやすくなるような意思表示をすることは、「媚び」ではなく、「人としての思いやり」ではないだろうか。

笑顔でのリアクションは、いざというときに急に実践しようと思ってできるものではない。まずは誰に対しても笑顔で接し、相手の話に興味を持って耳を傾けよう。これは、婚活の場に限った話ではない。家族や友達、職場の人と接するときも同じだ。

一緒にいる相手に「話しやすい」「楽しそう」と思われるような対応をすることは、決して媚びではないはず。目の前の人と丁寧に接して、相手の話に興味を持つことは、家庭でも仕事でも、人間関係を円滑にするマナーだと思う。