「空腹感がない食生活」では臓器に大きな負担
空腹感がないのに朝、昼、晩、間食と食べ続ける食生活では、肝臓、腎臓などの臓器は休みなく働き、大きな負担を強いられます。腎機能が低下する慢性腎臓病(CKD)や透析を必要とする人が増えているのも、長年、腎臓が傷めつけられていることと無関係ではないでしょう。
栄養学の世界では、食べたものの残りが16時間以内に排出されるのが理想的だとされています。便秘がさまざまな悪影響をおよぼすことは知られていますが、少なくとも24時間以内には出るくらいのペースで毎日の排泄ができないと、不要なものが溜まり、なんらかの不調につながるリスクが高まります。
人間の体はよくできていて、有毒なものは無毒化して排出する仕組みを備えています。食べものを消化・吸収して取り入れた栄養分や水分は、必ず肝臓に運ばれ、アルコールを分解したり、毒性の高いアンモニアを尿素に変えたりと、肝細胞がもつ酵素によって有毒な物質を解毒します。
そして、肝臓で変換された尿素や、水、酸素などを含む血液が心臓へ運ばれ、心臓がポンプの役割を果たして肺や全身の細胞に送られます。血液が腎臓に辿り着くと、全身を何回も巡っているうちに溜まった不要な物質が濾過され、ここで必要な栄養分をふたたび吸収したあと、残った液体が尿として排出されます。
消化力を上げる食生活は、不要なものを出す力(排泄力)も高めることにもつながります。