使い回しの「090」よりも新しい「060」の方がクリーン
「お近くにお子さんはいらっしゃいますか。いたら電話を代わってもらえませんか」と交渉すること数回。ようやく近くに住んでいるという娘さんに代わってもらえ、なんとか事態は収束した。しかし、事故物件とまでは言わないが、「この番号は最近死んだ人が使っていた。しかも突然、事故死などをしたのではないか」という、ネガティブな印象は女性編集者と息子の間に残ってしまった。
この背景には、解約などで使われなくなった番号が、番号逼迫ゆえにすぐに使い回されてしまっている問題がある。かつては半年から1年は寝かせてから使い回されていたそうだが、最近は1カ月も経たずに使い回されるようになっているのだとか。これは「090」番号に限った問題ではなく、「080」や「070」番号でも起こっていること。間違い電話ならまだマシなほうで、借金の取り立てやセールスの電話が頻繁にかかってくる「はずれ番号」も少なくない。
数年後から運用開始される「060」番号はそうしたイヤな過去がない、まっさらな番号になるので、むしろこちらの方がありがたみは大きいだろう。これから携帯電話番号を取得する人は、「番号ヒエラルキー」などというアラフィフの呪縛は乗り越えて、誰にも汚されていない新雪の野のような「060」番号を受け入れてほしい。