世界一高いビッグマックは1200円超え
世界中のビッグマックの価格は、英国のエコノミスト誌が、毎年2回、約50カ国・地域の価格を調査・比較してくれている。
この調査の範囲内で、ビッグマックが最も高いのはスイス。スイスではビッグマックの価格が7.10スイス・フランで、今のスイス・フランと円の交換レートは1スイス・フラン=170円くらいなので、スイスのビッグマックの値段を円に換算してみると170円×7.10スイス・フラン=1207円もする。これはセットの価格ではなく、ビッグマック1つの価格。実に日本のビッグマックの2.5倍もする。
次に高いのはウルグアイで、その次がノルウェー。ノルウェーではビッグマックの価格が74ノルウェー・クローネで、今のノルウェー・クローネと円の交換レートは1ノルウェー・クローネ=14円くらい。したがって、ノルウェーのビッグマックの価格を円に換算してみると14円×74ノルウェー・クローネで1036円となる。
その次に高いのが、アメリカ、イギリス、ユーロ圏、カナダなどで、概ね同じくらいの価格。つまり、日本円に換算するとだいたい800~900円前後。
調査対象の国・地域の中で真ん中より少し下くらいに位置するのが、お隣の韓国。韓国のビッグマックの価格を円に換算すると600円くらいなので、日本の価格より25%くらい割高になっている。日本の順番は下から数えて11番目で、中国よりも少し下の水準となっている。
24年前は日本よりアメリカのほうが安かった
エコノミスト誌の調査によると、今から24年前の2000年4月時点の日本のビッグマックの価格は世界の中で上から5番目くらいに高かった。日本のビッグマックの価格は当時294円で、アメリカのビッグマックの価格は2.24米ドルだった。当時の米ドル/円相場は1米ドル=105円前後だったので、アメリカのビッグマックの価格は日本円で240円程度で、日本よりも安かった。
過去24年間で、日本のビッグマックの価格は294円から480円まで1.6倍程度にしか値上がりしていない一方、アメリカのビッグマックの価格は2.24米ドルから5.69米ドルと2.5倍も値上がりしていることが分かる。さらに、1米ドルと交換するために必要な円が、105円から150円に大幅に増えてしまった。
つまり、アメリカでビッグマックの米ドル建て価格が大きく上昇したことと、一方で円の価値が米ドルに対して大幅に下がってしまったことが、以前と比べるとアメリカでビッグマックを買うのに必要な円が多くなっていることの原因であることが分かる。
(注) 『エコノミスト誌』調査の価格は2024年7月時点。