敬遠の多さでベーブ・ルースに並ぶ

本当はもっともっとバットを振る中でゲームを楽しみたいなという気持ちもありましたけれど、今後のことを考えればいい経験ができたと思っています。(『Number 1040号』文藝春秋)

2021年シーズンからの大谷翔平への敬遠の多さは突出しています。

2023年の申告敬遠数は599打席に対し21個ですが、前年のホームラン王アーロン・ジャッジの7個(436打席)に比べると、その多さがわかるでしょう。

2021年、大谷は46本の本塁打を打ちながら、トップに2本及ばずタイトルを逃しました。

打てなかった理由の一つに挙げられているのが四球の多さです。

45号本塁打を打った後、大谷は「4試合で13四球」という、ベーブ・ルースやブライス・ハーバーに並ぶメジャー記録を打ち立てています。

写真=iStock.com/RBFried
敬遠の多さでベーブ・ルースに並ぶ(※写真はイメージです)

「アジア人だから敬遠された」は間違い

四球の多さの理由として「大谷がアジア人だから、タイトルを取らせないためではないか」といったうがった見方もありました。

けれども、実際には大谷の後ろを打っていた、強打者マイク・トラウトが同年5月に右ふくらはぎの負傷で長期離脱したため、エンゼルスの打線は「打てるのは大谷だけ」という状態になっていました。

四球や敬遠の多さについて大谷は「最終的にそのレベルに行きたいな」と思っていたものの、「少し早い」と感じたようです。

しかし、それすらも「いい経験にしていきたい」というのが大谷の考え方なのです。