夫の家事、育児の時間は増加傾向
では、家庭における家事関連時間はどうでしょうか。子どもがいる世帯のうち、6歳未満の子どもがいる世帯をみると、夫の家事関連時間は1時間54分、妻は7時間28分で、家事関連の多くを妻が担っている状況です。
その内訳は、夫は家事30分(2001年比23分増)、育児1時間5分(同40分増)、妻は家事2時間58分(同55分減)、育児3時間54分(同51分増)となっています。少ないながらも夫の家事関連時間の増加が顕著であり、過去20年間で子どものいる夫婦が費やす家事関連の時間の割合は大きく変化してきていると言えそうです。
日本の景気動向を表すアニメ「ONE PIECE」の視聴率
こうした日常の生活行動のなかで、景気変動との相関がみられるのが、実はテレビ視聴と言われています。特に、国民的アニメである「サザエさん」(フジテレビ)や現在でもしばしば視聴率20%を超える長寿番組「笑点」(日本テレビ)などが、景気との関連性を指摘されてきました。
いずれも日曜日の夕方に放送され(一部地域を除く、以下同)、この時間帯に自宅でテレビを観て過ごしていると想定されることから、番組の視聴率が高いと景気は悪く、視聴率が低いと景気は良好だといった見方がなされています。
しかし、新型コロナウイルス感染症以前のデータになりますが、近年では、少し様相が異なってきているようです。2015年~2019年のデータを用いて、帝国データバンクの景気DIとテレビ視聴率(ビデオリサーチ調べ、リアルタイム視聴率、関東地区)の相関関係を分析すると、日曜日の朝に放送されている「ONE PIECE(ワンピース)」(フジテレビ)との相関が最も高いという結果となりました。
時差分析ではワンピースの視聴率が景気DIを概ね4カ月先行して動いており、景気の先行きを見通すにはちょうど良い指標となることが示唆されます。簡便な回帰分析を実施したところ、ワンピースの視聴率が1ポイント上昇すると、4カ月後の景気DIは約0.37ポイント低下するとの結果もみられました。