3度の結婚と離婚、事実婚2回と女性遍歴を繰り返す

結婚と離婚を繰り返したのだ。恋人との同棲や解消などを含めれば、その女性遍歴をあげれば枚挙にいとまがない。

2度目の妻はフィリピン人シンガーだった。一緒にフィリピンで事業を始め、その後、日本にも呼び寄せたが、半年も経たないうちに破局。フィリピンで購入した家も与えた。

3度目の妻も関係は長く続かず、「彼女は男と出て行った」そうだ。

正式な結婚はここまでで、その後は事実婚のパートナーがいる。

最初のパートナーの元ダンサー兼シェフのフィリピン人女性とは、幸せな生活を送った。

「彼女と一緒に神奈川の厚木でレストラン&ライブバーを経営して、彼女の娘、つまり連れ子とは本当の親子のように仲良く暮らしました。連れ子とは今でも仲がいいんです。その時住んでいた神奈川県の家はガレージハウスに、大好きなアメリカ車を並べて、毎日が楽しかったです」

このレストラン&バーの主な客は、フィリピンから移ってきたアメリカ兵で、とても繁盛した。小さい店ながらも、月の売り上げは200万円超。また、ガレージハウスには、ルート66でおなじみのシボレー・コルベットやダッジコロネットR/Tやカマロのロードレーサーなども置き、アメ車ファンには天国のような場所だった。

「車を総額いくらで購入したのか」と問うと、首をひねるばかり。湯水のように使いすぎて、総額いくらかさえ定かではないという。

写真=本人提供
写真家のよしおか和さん

スティーブ・マックイーンに見る男の美学を貫き通す

しかし、こうした金銭感覚は案の定、破綻を招いた。当時、あるアメリカ兵が起こした不祥事により、兵士が夜飲みに来るのは規制がかかり、店の売り上げは5分の1に激減した。経営が立ち行かなくなり、穴埋めのために暗号資産の取引にも手を出したが、大失敗。その後、自己破産した。

ガレージハウスを手放した際は所有していた数々のアメリカ車も人に譲った。

「車の価値をちゃんと分かっている人だけに乗ってほしかったから、売値も細かく言いませんでした。いくらで売ったのかももう忘れました。もしあのまま(ヴィンテージ級の)アメリカ車を持ち続けていたら、億単位の価値にまでなったかもしれませんね」

数千万円かけて購入したものを言い値で売った。

「私の理想の生き方は、俳優のスティーブ・マックイーンが体現するような男。自由で、不屈で、アウトローで、豪快で。例えば、欲しいものはちまちまケチって買うんじゃなくて、ドーンとまとめ買いするもんだとかね(苦笑)。フィリピン人は家族に仕送りをするためにも金銭面でシビアですが、私はあればあるだけ金を使ってしまう。それに嫌気がさして離れてしまったのかもしれません。どうしても自分の信条に反することはしたくなかったんです」