どのくらいまでなら紫外線を浴びてもよいのか
ここまで読んでいただいた方は「何時間・何分ぐらいまでなら紫外線を浴びてもいいんですか?」と疑問を抱く方もいると思います。
結論から言うと「一概には言えない」ということになります。それは“日光を浴びる”と言っても、紫外線量は場所や時間、季節によって全く違うからです。
紫外線の強さを指標化した「UVインデックス」というものがあります。ここで気象庁の観測値のデータを見てみましょう。かつては札幌市や那覇市でも観測していたのですが、現在は茨城県のつくば市だけになっているため、例えば「2024年8月5日のつくば」のUVインデックス(図表1)を見ていただきます。
これを見ると、朝8時には2.6程度なのが、3時間後の11時には8.3になっています。ちなみに環境省は、8以上の場合は「できるだけ外出を控えたほうがよい」と呼び掛けています。
紫外線量はこれだけ時間によって違う上に、場所が異なればまた違うものなのです。
そして何より「どのぐらいの時間浴びても大丈夫か?」への回答は、人それぞれの持つ回復力によっても変わってしまう、ということもあります。そのため「問題のないギリギリのラインはここまで」と言うのが難しいのです。
例えばタバコに関しても、沢山吸っても体に大きな影響が出ない人がいますが、わずかな喫煙でも影響する人がいるのと似ています。ですから、タバコは「1日○本までなら大丈夫!」とは言われず、「なるべく吸うのは避けよう」と言われることが多いわけです。
ただ、ここまで説明してきたように、紫外線は目にダメージを与える可能性が非常に高いものに変わりはありません。ですから、少なくとも目にとっては、“紫外線はなるべく避けるべきもの”と捉えていただければと思います。
紫外線から目を守るには「サングラス」「帽子」「日傘」
では紫外線から目を守るために出来る対策は何があるのでしょうか?
一つにはサングラスがあります。サングラスの場合は「何色がいいのか?」という質問を受けることがありますが、実は色は関係ありません。あくまで紫外線は見えない光ですので、青だろうが、黒だろうが効果は変わらないと思ってください。
しかしサングラスをつけると「見た目が気になるから嫌だ」という人もいるでしょう。特に日本ではその傾向が顕著で、「サングラスは失礼」と考える方もいます。
これは、日本は感情を目で読み取り、海外は口で読み取るという文化に関係があるのでは? とも言われていますが、目を紫外線から守るためにはつけたほうがいいでしょう。もしどうしても気になる場合は、透明なメガネに紫外線のカット機能を組み込んだものもあるので、そういったサングラスを使っていただいても問題ありません。
ただわかっておいてほしいのは、持病がありサングラスを使わざるを得ない方もいるということです。「ドライアイが強すぎて目を開けていられない」、「緑内障で眩しくてサングラスをしなければいけない」という人が世の中にはいます。
「サングラスは失礼だ」と切り捨てずにそのことは理解いただければと思います。
サングラス以外にも紫外線から目を守る方法としては帽子・日傘があります。特に帽子はつばの長い帽子の方が目に光が入りにくく効果的です。帽子・日傘は、直接目に光が入ることを防いでくれるので、積極的に使用いただければと思います。