今の中国人は円安の日本すら行けない

日本への外国人観光客のインバウンドは盛んだが、最大の理由は円安である。ドルの所有者なら嘗て200ドルだったビジネスホテルが120ドルくらいで宿泊できる。レストランは北東アジアのなかで一番安い。

「おもてなし」は世界的に有名で珍しくもない。しかし、観光地で騒がしかった中国人が殆どいない。どこへ行ったのか?

中国経済のブームは終わっているのである。

中国は外国籍も含めて、企業のなかに共産党細胞を設置せよと命じた。次に企業のなかにも軍隊組織をつくれと言い出した。ワルは身内も信用しないのだ。

暇なので軍事訓練に励む「党営企業」

じつは中国企業に勤める多くは潜在的失業者である。社員には、草むしりの代わりに軍事訓練を強要し、不満の爆発を抑えこんでいるのである。これを「軍事的脅威になる」とまともにとらえる必要はない。

外国企業、合弁企業にも例外なく共産党細胞がある。国有企業では党書記がいて、仕事は無能だが、社長より偉い。国有企業というより党営企業である。企業の内部に「人民武装部」を設置した企業が数十社あることが判明した。英紙『フィナンシャル・タイムズ』やインドの『ザ・タイムズ・オブ・インディア』などが2月21日付けで一斉に伝えた。

日本との合弁企業のなかにも人民武装部が設置されていた。習近平の強迫観念ともいえる軍事体制構築の「企業内再編」だが、ボランティアの社員で組織され、中国共産党への服従は絶対だ。人民解放軍の指揮下に位置づけられ、「軍事訓練」や「政治教育」などが企業活動の一環として行われる。

ボランティアとは名ばかりで、いやいやながらノルマをこなしているのが実態だろうと想像できる。企業活動が暇になったからに違いない。繁栄し、多忙をきわめていたら軍事訓練など社内でやっていられるか!

某社ではボランティア社員が「民兵」に早変わりし、30人余が参加していたのである。中国進出の際に求められる「合弁」の形態は、中国側が51%、日本側が49%という組み合わせが多く、社内の管理は中国人が担当するため内部で何が行われているのか、日本側は把握できないのである。

日本企業ばかりか、中国に進出したドイツ大手企業のなかにも人民武装部の存在が明らかとなった。