株価が安くなる局面を冷静に待とう

株式投資は、株価が割安な時に買い始めるのが基本のキです。

榊原正幸『1冊でまるわかり 50歳からのトレーダー入門』(PHPビジネス新書)

日経平均株価は、4万円前後でいったん調整する(=やや下落気味になる)でしょう。2024年3月時点の企業業績の水準から判断する限りでは、それが妥当な株価推移だからです。

とはいいつつも、『1冊でまるわかり 50歳からのトレーダー入門』が世に出るころに日経平均株価が4万円を超えてどんどんと上がっていたとしたら……それは「強いインフレの予兆」ですから、その後に来るのは厳しいインフレによる生活苦です。それこそ、かなりヤバいですね。

正常な経済状況の下では、日経平均株価といった「一国の経済指標」が一方向にどんどん進んでしまうことはあり得ませんし、好ましくもありません。であれば、株価が安くなる局面もあるはずですから、「新NISA制度」の導入とは関係なく冷静に、割安なタイミングを図るべきです。

新NISAに最適の銘柄選びを考える

1冊でまるわかり 50歳からのトレーダー入門』第4章でも述べていますが、私の投資手法は「定量的要因」(数値で分析できる要因)に重きを置いています。

しかし世の中の多くの方は、株式投資をする時に「定性的要因」(性質的なことに基づいた要因)に重きを置いているようです。「何をやっている会社か」、「社長の優秀さや理念」、「成長しそうな分野かどうか」といった「定性的要因」を主軸にして、あれこれと思考を巡らせながら投資対象の会社を選んでいます。これを、「定性的アプローチ」といいます。

一方、「定量的アプローチ」は「数字の世界」ですから客観的ですし、一定の手法を身につけてしまえばかなりの程度で再現性も確保できます。そのため、株式投資では「定量的アプローチ」の方が上手くいきやすいのです。

しかしそんな「定量的アプローチ好き」の私が今、唯一注目している「定性的要因」があります。それは「インド関連」です。向こう10年かそれ以上の間に、インドが爆発的に成長しそうだからです。これには、経験に基づく明確な根拠があります。