「ジョージアに帰ってもがんばれよ」と言われたことが心の支えに

ティムラズ・レジャバ『日本再発見』(星海社新書)

私がキッコーマンを退社してジョージアに帰国するころは、仕事についていけずに精神的にやられて辞めようと思った部分もあり、心細くてつらい時期でした。けれども友だちが門出をお祝いする送別会を企画してくれて、大勢の友だちが集まり、作ってくれたビデオにはその場に来られなかったたくさんの知人も登場し、みんながあたたかいメッセージを贈ってくれたのです。「ジョージアに帰ってもがんばれよ」「君にはこういう良いところがあるから、絶対うまくいくよ」と。その言葉がどれほど私にとって救いになり、その後の心の支えになったことか。

私もこのような日本ならではの歓送迎会のしきたりを、積極的に仕事に取り入れています。送り出してもらったり、新しく着任したりするタイミングで、そのような心づかいを受け取って嫌な気持ちになる人はいませんから。

おそらく今日も日本中のどこかで同じような会が設けられており、日本のみなさんにとっては「よくある風景」のひとつに感じているでしょう。しかし歓送迎会は非常に価値ある行為なのです。

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