全国のドライバーが支払った貴重なお金を守るために
今回のビッグモーターに絡む問題も、自賠責保険を舞台に起きたわけだが、仮に、この保険に何らかのメリットがあるのだとすれば、公共性の高い保険に甘い汁を認めた国にもその責任の一端があると言わざるを得ない。
筆者はビッグモーター問題の発覚以前から、自賠責保険の「社費」の金額を具体的に示し、記事を書いてきた。今回、あらためてその数字を出したところ、この業界で仕事をされている多くの方からも、「そんな高額が支払われているとは知らなかった」「本当にそれだけの額が必要なのか?」と言った驚きや疑問の声が多数寄せられた。
現在の自賠責保険料が緻密に算出されていることは理解している。しかし、そもそも保険会社は、「利益」が全くないにもかかわらず、なぜ自賠責保険の契約がそんなに欲しいのか――。損保各社から申告されている「社費」という名の手数料は本当に適正なのか。また、契約者から受け取った自賠責保険料はどのように管理、運用されているのか。
一連の疑問を払拭するためにも、この機会に改めて、保険料を支払っているすべてのユーザーにもわかるよう、さらに具体的なデータを開示し、説明してもらいたいと思う。自賠責保険料は全国のドライバーが「被害者救済」のために納めた大切なお金なのだから。