リースバック物件を購入し、家賃収入を得る方法に興味を示す

2回目の面談では、内山さん、筆者、T氏の3人で行うことになりました。T氏は鞄から資料を取り出し、机の上に並べていきました。

「こちらの資料にあるようなリースバック物件を購入し、家賃収入を得る方法をご検討いただくとよいかもしれません」

すると内山さんは疑問を口にしました。

「リースバック物件とはどのようなものなのでしょうか?」
「リースバックの運営会社と個人で不動産の売買契約および賃貸借契約を締結した物件のことです。ざっくり言うと『自宅を売却して現金を得た家主が、自宅売却後に賃料を支払うことで引き続きその自宅に住み続けている物件』というものです。メリットとしては、通常の価格よりも安く買える可能性が高い点があげられます」

整理をすると……、リースバック契約をした人物(家主)が所有する物件を内山さんが購入し、その物件に住み続ける人物(家主)から家賃収入を得るという仕組みです。

内山さんはさらに不思議そうな表情を浮かべました。

「なぜ安く買えるのでしょうか?」
「その理由は『家主が住んでいる間は不動産活用の幅が狭まってしまうから』というものがあります。家主が住んでいる間は、物件をリフォームして資産価値を高めて売却するといったことはできません。同様に新しい建物を建て直して売却したりすることもできません。リースバックを利用する方の中には老後資金の確保を目的とするケースも多く、その物件に長く住み続ける可能性が高いです。よって『家主が住み続けている間は、購入者はその期間は自由に活用できない』といったデメリットがあるので、割安になっていることが多いのです。ちなみに、リースバック物件の主なメリットとデメリットは次の通りです」

■メリット
・市場価格よりも割安で購入できる可能性が高い
・現在、すでに家主が住んでいるので、内山さんがリフォームをしたり入居者を募集したりする必要がない
・内山さんは購入後すぐに家賃収入が得られる
・家主が住んでいる間は、家屋の修繕費は住人本人が負担する(内山さんが修繕費を負担することはない)
・家主が退去した後、内山さんは購入した金額よりも高い金額で売却できる可能性がある

■デメリット
・家主が住んでいる間は、購入者が自由に活用できない
・リースバック契約時に設定した家賃から値上げをすることは難しい
・優良物件はすぐに買い手がついてしまう
・優良物件かどうかの選定が難しい

T氏はメリットとデメリットの説明をした後、資料の中から内山さんのニーズに合うような優良物件を2つピックアップしました。