自分の印象をひと工夫で変えられる「ある言葉」

そして、それは自分の家族であっても同様です。

「文句ばかり言うなら人に頼らず、すべて自分でしてみたらどうですか」
「さんざん、ひどいことを言ってきたのに、今さら面倒をみてもらいたいなんて虫が良すぎる」
「何をしても気に入らないみたいだから、もう何もしません」

身から出たさび、自分の言葉はやがて自分に返ってくるなどと言いますが、もし、こんな厳しい言葉を本当に助けが必要なときに言われてしまったら……。

きっと辛く悲しい気持ちになり、過去の自分の言動を後悔するかもしれませんが、それはもう後の祭りです。

だからといって、相手を傷つけないように言葉をいちいち考えながら毎日過ごすなんて大変なことですよね。何十年と今の自分で過ごしてきたのに、今さら自分の性格や口癖を直すのは骨が折れる作業だと、難しく考えてしまうのは当然のことです。

ですが、実は、そんなに大変なことをせずに、ちょっとした工夫で、自分の印象を変えられる方法があります。

それは、「ある言葉」を普段の会話に付け加えるだけでできるのです。

「ありがとう」を付け加えてみよう

「それくらい自分でできるから放っておいてよ。でも、ありがとう」
「まったく、お前はこんなこともできないのか。でも、いつもありがとな」
「ほんと気が利かないわね。……でも、ありがとうね」

たったひと言「ありがとう」を添えるだけで、ずいぶんと印象が変わったのがわかりますか。

木村まり『幸せに人生を終えた人から学んだこと』(自由国民社)

会話の前半では、言われた相手は辛い気持ちになるかもしれません。

ですが、最後に「ありがとう」と付け加えたら、言われた相手も、言った本人も、不思議と気持ちが柔らかくなる気がしませんか。

職人気質の気難しいおじいさんが、ぶっきらぼうに顔を赤らめて「ありがとな」と弟子に言っている……。そんな光景が思い浮かびます。

そして、言われた弟子は、きっとこう思うでしょう。

「この人は口は悪いけど、本当は照れ屋なだけなんだ」と。

愛され高齢者の方々のように、感謝と好意を普段から伝えることが一番良いことです。

ですが、性格上それがなかなかできない人もいるでしょう。

そんな方は、どんな言葉の最後にも「ありがとう」を付け加えてみてください。たったそれだけで、あなたの印象はきっと良い方向に変わっていきます。

「ありがとう」は魔法の言葉。愛され高齢者の方々をお手本にして、毎日たくさん使っていきたいですね。

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