養育費は国が立て替えて、取り立てもしてくれる

シングルマザーも多いので「ひとり親で子育ては大丈夫か」と心配する人も多いでしょう。しかし、デンマークでは、仮に離婚しても生物学上の両親が養育に関して最終責任者であることが法律で明確に定められています。

養育費は税金の控除の対象となりますし、行政機関が養育費を前払いして、後で親に請求する仕組みもあります。また、養育費を支払っていない場合には、国の福祉サービスを受けられないなど、重いペナルティが課されます。

海外では1960年代から急激に婚外子が増えています。そのおかげで人口ピラミッドは出生率の低い日本や韓国のように逆ピラミッドにはなっていません。いま世界中の先進国で高齢化が進んでいるといわれていますが、その中でも日本の状況が深刻なのです。他国を見習って、シングルマザーやシングルファザーでも安心して子育てができる環境をつくる必要があるのではないでしょうか。

出典=国連データベース

共同親権の導入で日本でも婚外子が増える⁉

その一歩を踏み出したと思える動きもあります。共同親権です。共同親権の導入を柱とした民法の改正案が4月16日の衆議院本会議で可決されました。今国会で成立し、2026年までに施行される見通しです。

現在は離婚すると、父親か母親のどちらか一方が親権を持つ「単独親権」になっており、約9割は母親に親権が与えられています。子どもがいると、ほとんどの場合はシングルマザーの状態になっているのです。反対に親権を得られなかった父親は、へそを曲げて「養育費は払わない」となるケースも後を絶ちません。

「共同親権」が導入されれば、離婚する際に父親と母親の協議によって「共同親権」か「単独親権」かを決めます。合意できない場合は家庭裁判所が判断します。

海外では昔から共同親権が一般的です。離婚するかどうかは親の勝手ですから、子どもの人権を尊重すべきだと考えられているのです。